鍛造製法は、太古に王族などの宝物として作られたジュエリーや、江戸時代からの刃物や武具、金物などに用いられてきた製法です。
火花が飛び散るような熱した金属を、ハンマーで叩いて延ばしてかたちづくります。材料となる地金の板を叩き、延ばし、曲げることで金属が鍛えられます。 手間やコストはかかってしまいますが、鋳造製法では得られない高い強度と靭性をもつ製品が作り出されます。
値段は鋳造と比べて高価とはなりますが、強さと美しさが長持ちし、一生ものとして使え、後世に受け継ぐこともできる一品が出来上がります。

一般的に普及しているジュエリーは、鋳造製法（キャスト製法）で作られています。高温で溶かした地金を型に流し入れ、そのまま冷却することでリングの形を作り出す製法です。
鋳造製法には、製造工程がシンプルで大量生産に適し、かつデザインの自由度も高いという利点があります。
その一方で、溶けた地金を固めるだけなので、材料欠陥もときおり見られ、加工精度もあまり高くありません。
また地金が鍛えられていないため硬度が低く、強度も弱くなってしまいます。そのため、鍛造と比べて変形しやすく、傷が目立つようになってしまいます。
デザインの幅は広いですが、一生ものの指輪には若干不向きと言えるでしょう。